ピアノと和歌で紡ぐ音楽朗読劇《ドビュッシーと藤原定家》
- Miyuki Furuta

- 2023年12月29日
- 読了時間: 5分
更新日:6月28日
2024年8月3日(土)・8月4日(日)、京都の旭堂楽器店サンホールで、ピアノと和歌で紡ぐ音楽朗読劇《時を超えて出会う ドビュッシーと藤原定家》を上演いたしました。
音楽は、ピアニスト/作曲家として活躍中の片山柊さん。朗読は、時代劇俳優の堀田貴裕さん(東映京都俳優部・東映剣会所属)。700年の時を超えてドビュッシー(音楽家)と藤原定家(歌人)が出会う、オリジナルストーリーをお届けいたしました。
『2人の会話をピアノと朗読で表現する』『和歌の音をピアノ独奏曲に織り込む』など、ピアノと朗読のアンサンブルに工夫を凝らしました。
また、京都の伝統文化の担い手たる企業様との協働により、文香(香老舗 松栄堂様)・西陣織栞(わき善織物有限会社様・アトリエshushu様)の記念品をお客様にお渡ししました。
遠方から来られたお客様・近くからお越しのお客様にも「京都の風情を感じられた」「お香・西陣織に親しむきっかけになった」等、大変好評でした。

大暑の折にお運びくださったお客様、企画・広報・運営にご協力いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
[公演タイトル]
ピアノと和歌で紡ぐ音楽朗読劇《時を超えて出会う ドビュッシーと藤原定家》
[日時]
DAY1 2024年8月3日(土)開演15:00(開場14:30)
DAY2 2024年8月4日(日)開演15:00(開場14:30)
[場所]
旭堂楽器店 2F サンホール(京都市中京区寺町通夷川上ル)
[公演概要]
ピアノと朗読のアンサンブルをお届けいたしました。
C.ドビュッシー:映像 第2集、片山柊:藤原定家の和歌に基づく新作ピアノ独奏曲 他、即興演奏と朗読のセッションで物語を紡ぎました。
[あらすじ]
1907年、パリ。日本美術をこよなく愛する音楽家・C.ドビュッシーは、鎌倉時代の和歌集を手に入れます。一方、1207年の京都では、歌人・藤原定家がスランプに陥っていました。後鳥羽上皇に暇乞いをしますが聞き入れられず、阿弥陀堂の夜警を命じられてしまいます。
或る晩、夢を介して出会ったふたり。700年の時を超え、対話をこころみますが……?
[出演]
ピアノ:片山柊
朗読:堀田貴裕(東映京都俳優部・東映剣会)
[制作]
音楽:片山柊
脚本:ふるたみゆき
[脚本担当・企画者のふるたみゆきより、作品のご紹介]
「ピアノと香りで楽しむ音楽朗読劇」のシリーズ第1弾です。
京都の文化的土壌を生かしながら、音楽・文学・香りという異なる芸術を融合させ、新しい表現をめざしました。以下、見どころのご紹介です。
♪文化・時空の交差点たる京都
本作では、鎌倉時代の京都に生きた歌人・藤原定家と、19-20世紀のパリで活躍した音楽家・ドビュッシーが巡り合います。
和歌と音楽、夢と現、東洋と西洋。異なる文化・時空が交差するこの舞台構成は、千年以上の歴史を持ち、異文化を取り入れながら進化してきた京都でこそ成立しうるものだと思います。
♪ピアノと朗読のちから
劇中のピアノは、朗読と対等に語り、時代や文化の橋渡し役を担います。
とりわけドビュッシーのピアノ曲は、日本美術からの影響が顕著であり、時空をつなぐちからを持っています。堀田貴裕氏(東映京都俳優部・東映剣会)の活き活きとした演技とピアノの対話は、時空を超える旅へと鑑賞者を誘います。
また、気鋭の作曲家・片山柊氏による新作ピアノ曲や即興演奏を通じ、藤原定家の和歌が音楽的に再解釈されるのも面白いところです。
♪香りと織物で広げる鑑賞体験
公演会場では、香老舗 松栄堂の文香と、西陣織工房・アトリエshushu製の栞を配布しました。
香りと織物は、ともに京都が世界に誇る精神文化・美意識の象徴であり、本作のストーリーと響き合います。
終演後も、香りと手ざわりで余韻を楽しんでいただければ幸いです。
[楽曲構成]
【第1幕】
♪片山柊「序曲」
♪片山柊「彼(か)の岸より」
♪片山柊「春の夜の 夢の浮橋とだえして 峰に別るる横雲の空」
♪片山柊「1907年の電話 パリ―ワルシャワ」
♪片山柊「春の夜の 夢の浮橋とだえして 峰に別るる横雲の空」
♪片山柊「彼(か)の岸より」
♪片山柊「1907年の電話 パリ―ワルシャワ」
【第2幕】
♪片山柊「琵琶による〈夢の浮橋〉」
♪片山柊「歌の道」
♪ドビュッシー「映像 第2集」より「葉ずえを渡る鐘」(Images 2 "Cloches à travers les feuilles")
♪片山柊「1907年の電話 パリ―ワルシャワ」
♪片山柊「春の夜の 夢の浮橋とだえして 峰に別るる横雲の空」
片山柊「物思いに耽るドビュッシー、阿弥陀堂の月を仰ぐ藤原定家」
♪ドビュッシー「映像 第2集」より「そして月は廃寺に落ちる」(Images 2 "Et la lune descend sur le temple qui fut")
【第3幕】
♪ドビュッシー「映像 第2集」より「金色の魚」(Images 2 "Poissons d'or")
♪片山柊「声」
♪片山柊「春の夜の 夢の浮橋とだえして 峰に別るる横雲の空」
♪片山柊「ドビュッシーと藤原定家」
【第4幕】
♪片山柊「夢のあと」
♪片山柊「1907年の電話 パリ―ワルシャワ」
♪片山柊「フィナーレ」
[主催・協力]
主催:「夢の浮橋」制作企画
協力:東映京都俳優部/東映剣会、株式会社松栄堂、わき善織物有限会社、アトリエshushu
助成:公益財団法人国際音楽芸術振興財団、公益財団法人光山文化財団
後援:一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

堀田貴裕(左)ふるたみゆき(中央)片山柊(右)
ありがとうございました。今後も京都で音楽朗読劇のシリーズを展開して参ります。
どうぞよろしくお願いいたします。




